1.家計管理とはなにか
突然ですが、あなたは毎月の収支を把握していますか?
・・・私は1年半前までは頭の中で収支をぼんやりと計算している程度で、「家計管理」とは程遠い「家計放置」(笑)でした。
「とりあえず、赤字にならなければ良いな」と欲しいもの(当時は服やカバン)をメルカリで服をお得に買っているぞ!という甘々な考えで過ごしており、結局ボーナス頼りな家計でした。
その頃のクローゼットは冬用コートが9着もあり、パンパンになっておりました。

カバンは革のアタッシェケース2個、革のトランク1個、ブリーフケース2個…結局ほとんど使わず、所有欲の奴隷となっていました。
私が通勤時に着用している服は毎日同じコート1着のみ!カバンは使っていない!(笑)
そして残りのコート8着は1シーズンで1回着るか着ないかだったのです!
このあたりで「あれ?何やってるんだろ?」こんな数のカバンとコート必要ないじゃん。となりました。
その頃から新しいカバンとコートの購入をやめ、ひとまず、収支の把握から行っていくことにしました。
収支の把握が出発点
まず取り掛かったのは、収支を把握するため、まずは我が家(私30代・妻30代・子ども3歳)の支出を洗い出しました。
過去に手書きの支出管理をしたことがありましたが、2ヶ月でフェードアウト(笑)した経験があったため、他の方法を検討しました。
私はめんどくさがりで複雑な工程のものは長続きしないので、「自動化」「シンプル」「お金の見える化」をテーマとして探していました。
行き当たったものはマネーフォワードMEというサービスです。
銀行口座や証券口座、クレジットカード、Amazonや楽天などと連携すると「自動」で収支を把握してくれます。
有料(月500円程度)ですが、とても便利です。月額500円程度でこの仕事をしてくれるありがたさ。過去に私が2ヶ月でやめてしまったものを自動で常に計算し続けてくれ、お金を見える化してくれる。今でも継続して使っており、資産管理や家計管理で大いに役立ってくれています。
という経緯で我が家の収支計算はマネーフォワードMEから始めました。
無料もあり悩みましたが有料サービスのほうが私には合っていたため、初めから有料サービスにしました。
「価値ある支出」と「無駄な支出」を見極める作業
マネーフォワードMEを使ってからは我が家の収支は私共夫婦で”見える化”し、お互いの支出がわかるようになりました。
その頃には趣味のコート探しを全くしないようになり、価値観の変化を感じていました。
私にとっては手入りにくい珍しいカバンやコートを買うことで一瞬の気分高揚感がクセになっていたような気がします。見栄やその場限りの自己満足感がありました。
ただ、家計管理を始めたことでお金の流れが見えるようになり、その支出の価値を考えるようになりました。
家計管理をしたい人にとっては「物欲」との戦いですよね。
100万円近く服や鞄に使ってきたので、とってもよくわかります(笑)
家計管理を通して本当に価値ある支出か確かめてみると良いかもしれません。
大丈夫です。自分と見つめ合う機会があれば抜け出せます。
2. 最重要ポイント:毎月の黒字化
黒字がなぜ家計の土台になるのか
この項目は最重要ポイントです。
理由:毎月赤字なら生活ができないから。
借金しなければいけない状態は避けたいところ。
生活を維持するために毎月の家計を黒字にしましょう。毎月の手取りの範囲内で支出をコントロールしていかなければなりません。
私は地方の会社員ですので、毎月の手取りは本当に厳しいものがあります…
ですが、毎月の家計を黒字にすることが資産を増やして生活を楽に人生を楽しくする土台ですので、一緒に頑張りましょう。黒字分を貯金や投資などといった資産に変えていく過程も楽しいですよ。
赤字家計から抜け出すための基本ステップ
①毎月の収支を見える化
- 家計簿アプリや紙でもOK、まずは「ざっくり」で大丈夫。
- 固定費(家賃・保険・通信など)と変動費(日々の買い物など)を分けると把握しやすい。
②無駄な支出と価値のない支出を削減
- 「使わなくても困らないもの」から減らす。高価な服や高い外食など
- 固定費(スマホ代・保険・サブスク)を優先して見直すと効果大。
具体的には
スマホは3大キャリアから格安SIMへ。
終身保険や養老保険などの貯蓄型保険を見直す。
重複しているサブスクや解約していないサブスクを見直す。
③借金があるなら黒字分から金利の高い順に返済へ回す
- リボ払いやカードローンなどは最優先で返済。
- 返済と同時に「新しく借りない仕組みづくり(クレカの使い方など)」も大事。デビットカードなど
④黒字家計を継続する。
- 黒字を「毎月続けること」がゴール
- 継続して黒字になったら、その分を貯蓄や投資に回せる
この4つです。
まずは赤字は「危険」という認識からですね。
3. 収支を把握する方法
家計簿・アプリを使ったシンプルな記録
支出を把握するにはマネーフォワードMEで「自動化」、「見える化」です。
私にはこれがしっくり来ました。
基本的にスマホやクレカ払いにしているため、自動で支出が記録されます。
自動なので、ほぼ手間がかからないのです。これがほんとに楽。「楽」なのが継続の基本ですね。
ただ、現金払いの時は手入力です。月に数回なのですが、忘れることもある(笑)
支出を「固定費」と「変動費」に分けて考える
当時は支出の分け方についてどうしようかな〜と悩んでいました。
固定費と変動費には分けようと思っていましたが、何かしっくりこない。
色々情報収集をしていく中でリベラルアーツ大学(リベ大)に出会いました。
リベ大では支出を4つに分けた考え方を提案されていました。

4象限表でわかりやすく、シンプルな表!
「これだ」と思いました。
早速、マネーフォワードMEの支出管理をこの4つに分けて計算してみるとスッキリして見やすくなり、今でもこの基準で仕分けをしています。
4. 価値ある支出とは?
QOLを高めるためのお金の使い方
クオリティ・オブ・ライフ(QOL)は「生命の質」、「人生の質」、「生活の質」などと訳され、一般には生きる上での満足度(快適さ)をあらわす主観的な概念です。
がん情報サービス:https://ganjoho.jp/public/qa_links/dictionary/dic01/modal/quality_of_life.html
つまりQOLとは満足した人生を歩めているかどうかということ。これは人それぞれ、個人差があるということですね。私にとっては家族と過ごす時間に価値を感じますが、そうでない方もいらっしゃると思います。
「自分にとって価値のあるものはなにか」を自問自答していくことで自ずと見えてくるはずです。
私もこれから先、常に考えながら生活していくと思いますが、現時点で私にとっては「自由な時間」が最も価値の高いものだと結論付けました。
仕事は嫌いではありませんが、働くかどうか決められる自由が欲しいと思っています。
これは「経済的自立」という状態であり、生活するために働かなくて良い状態です。これを目指して家計管理と投資が必要だと感じています。
私にとって価値ある支出とは「自由な時間を作り出すための投資」や「家族と過ごす楽しい時間」です。
あなたはどのような体験・モノに価値を感じていますか?
「倹約」と「節約」と「ケチ」の違い
倹約
- 目的:無駄を省きつつ、お金を有効に使い生活を豊かにする
- 判断基準:「必要か?価値があるか?」を重視
- イメージ:安物ではなく長持ちするものを選ぶ、教育や健康にはお金をかける
節約
- 目的:支出を減らして黒字を作る
- 判断基準:お金を使うかどうかより「出費を減らせるかどうか」
- イメージ:外食をやめてお弁当を作る、電気をこまめに消す
ケチ
- 目的:お金を減らさないこと自体がゴール
- 判断基準:お金を払うかどうかだけで決める
- イメージ:必要な出費も避けて不便になる、人付き合いまで悪くなる
🤞ポイントは
- 節約=短期的に支出を抑える行動
- 倹約=長期的にお金を有効活用する姿勢
- ケチ=目的がなく、支出を避けること自体が目的
必要で価値あることに支出を振り分け、「不要なもの」や「やりたくないこと」には「NO」と言えると理想ですね。
5. 無駄な支出を減らすコツ
気づかないうちに増える固定費を見直す
通信費
・光回線・スマホ料金(使っていないオプションやプランが放置されやすい)
・格安SIMやプラン変更で大幅に下げられる可能性あり
ローン関連
・住宅ローン(借り換えや固定費見直しで数百万円単位の差が出ることも)
・カーローン(車の維持費と合わせて固定費がかさみやすい)
サブスクリプション
・動画・音楽・電子書籍・クラウドストレージなど(気づかぬうちに複数契約している)
・使っていないものは即解約でOK
保険料
・医療保険・学資保険・終身保険など(内容に対して割高になりがち)
・必要最小限かを点検することが大切
その他のサービス
・ジムや習い事などの月額会費(「通っていないのに払い続けている」ケース)
私も以前ジムに通っていましたが、徐々に通わなくなり、月1,2回だけジムの風呂に入るだけとなっていました…(笑)今振り返ると、とても無駄でした。ジムの月会費が6,000円程度だったので、風呂一回3,000円でした。
・クレジットカードの年会費(使っていないカードが負担になっていることも)
主に上記ですが、心当たりのある方もいらっしゃると思います。
見直す機会があっても良いと思います。
上記の支出を数字で見て、感情も入れて考えた結果、「必要だ」となれば継続で良いし、「不要」と判断したらその支出は切り捨てましょう。
生活水準が上がると気づかないうちに固定費が膨らんでいきます。
一度見直すだけで、毎月数千〜数万円の黒字化ができる可能性があるため、家計を一度見直してみましょう。
習慣化している支出を点検する
「惰性で続けている支出」はありませんか?
・毎朝のコンビニコーヒー、週末の外食など
習慣になっているだけで「本当に必要?」と問い直して習慣を見直してみましょう。
コンビニコーヒーは1杯150円近いもしくはそれ以上の価格になりました。昔は100円くらいでしたけど、最近のインフレは怖いくらいに勢いがありますね。
1日150円を1ヶ月(20日として)買い続けると3,000円。年間36,000円です。
習慣や惰性も積み重なるとかなりの金額になります。この数字をみて価値ある支出だと感じる方もいらっしゃるし、価値がないと感じるかたもいらっしゃると思います。
コンビニコーヒー美味しいですもんね。
私がコンビニコーヒーを買うときは車で遠出するときですね。月に数回程度購入しています。
ここではコンビニコーヒーを例に挙げましたが、まずは習慣を見直すことが一番大事。
その中で価値のない支出があれば一つでも解約や削減ができればOKです。
私自身も最近外食が増えているので、引き続き見直し中です。
6. 黒字を未来につなげる
貯金と投資のバランス
支出を見直して毎月の家計を黒字にすることができれば、貯金ができます。
貯金は人生の安定剤です。貯金があるからある程度どっしり構えていられますからね。
そして投資。
これには抵抗ある人がまだまだ多いのではないでしょうか。
新NISAなどはよく聞くようになりましたが、実際はよくわからない方がいらっしゃると思います。
少しずつ学んで、お金に困らない生活ができることを目標にしていけると良いと思います。
ここ数年は株価絶好調なので、投資していた方は資産がぐんぐん成長しているはずです。
やはり資産所得は強いです。
有名なのはフランスの経済学者トマ・ピケティの
r(資本収益率)>g(経済成長率)
r:株や債権、不動産所得などの資産から得られる収益
g:経済の成長に伴う労働収入(給与所得など)の伸び率のこと
ざっくり簡単にすると
資産所得>労働所得
「労働での収入より、資産の伸びが多いよ」
ということ。
この不等式が意味することは、資産 (資本) によって得られる富、つまり資産運用により得られる富は、労働によって得られる富よりも成長が早いということだ。言い換えれば「裕福な人 (資産を持っている人) はより裕福になり、労働でしか富を得られない人は相対的にいつまでも裕福になれない」というわけだ。
出典:大和ネクスト銀行 https://www.bank-daiwa.co.jp/column/articles/2018/2018_115.html
投資をするメリットはあると理解できますが、デメリットも理解した上で行わないと失敗確率が上がります。
理解して自己責任で投資は行いましょう。
貯金と投資のバランスですが、これも人それぞれバランスは異なります。
具体的には
「20代、独身」と「40代、高校生の子ども2人」では生活にかかるお金が異なります。
年齢や子どもの有無、疾患の有無なども考慮する必要があります。
後ほど述べる生活防衛費があるかどうかも含めて、どのような人生にしたいかを軸に貯金と投資のバランスを考えていきましょう。
生活防衛資金と将来への備え
生活防衛費とは急な病気や事故、失業で働けなくなった場合に収入がなくても生活できるように備えておくお金のこと。
「最低限の生活費 × 数か月分」を貯めておくイメージです。
目安としては
会社員:6ヶ月程度
自営業:1年程度
上記の生活費が生活防衛費となります。
ここで言う生活費とは最低限の家賃・食費・光熱費・保険料などです。娯楽や贅沢品は含めません。生きていくために精一杯の状況で娯楽や贅沢品は不要ですからね。
今日からできること
まずは自分で動き出しましょう。
動かなければ始まりません。
思っていても文字や言葉に出さなければ伝わりません。
まずはこの3つをやってみましょう。
- 家計簿アプリをインストールするか、手書きの家計簿をつけて支出を把握する
- 不要なサブスクを1つ解約
- 生活防衛費の目安を計算してみる
まとめ
・家計管理で収支を見える化する。
・価値ある支出を考えていく。
・生活防衛費を貯める。
・投資を検討する。
色々言ってきましたが、
「収支を黒字にして生活防衛費が貯まったら、最適な投資をする」
これが家計管理と投資の本質です。
そして継続する。
実際に行動することが何より肝心です。
本やネット、SNSで探して、自分に合った方法を見つけましょう。
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